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2008年4月 2日 (水)

死とは別のにおい 完全版

「健全な精神は健全な肉体に宿る」

言い換えれば、不健全な肉体になると、精神も不健全になっていくのだろうな。

少し、ずれるかもしれないが、以下の格言

衣食足りて礼節を知る
貧すれば鈍す

衣食住が足りてこそ、人は礼節を知り、貧しくなれば鈍してしまう

これは非常に実感がある。
前回の心臓手術の後、約1年ほどは養生して、さて2年目くらいから、仕事を見つけ始めた。
が、これがなかなか見つからない。何度も何度も職安に行く。
しかし見つからない。やっと見つかった!
で、面接に行く!と落ちる。そしてまた振り出しへ。

見つける! 見つける!見つからない! やっと見つかった!面接で落ちる!
この繰り返しであった。

かなり疲弊した。
心が歪んでいった。嫉みが生まれた。
自分に対して、そして社会に対して。

自分が「この世にはいらない存在」だと思い、自身を蔑む。
そして、自分を追い出した「世間」に対して、迫害された者としての怨みを抱く。
今から思い返せば、かなり「おかしく」なっていた。

今でこそ、衣食が足りている。
からこそ「それなり」の礼節を知っている。
礼節を知っているからこそ、衣食が足りるくらいの「仕事」を続けることが出来る。
貧してないからこそ、今は鈍ではない。しかし、以前は「鈍」であった。

そう、健全な立場から、正論を言うのは簡単だ。
しかし「足りなく」なり、「貧」すれば、それは簡単に崩壊するのだ。その事実を、この身で知っている。

そして今、オレは
「症状が重度になると、日常生活にかなり障害がでてきます。介助を要することもあります。」病気になってしまった。

一度たりとも「貧」した経験をもつ私としては『失った後も』礼節を持ち続けることが出来るか、、出来ないだろう・・・と思った。

今まで「衣食足りて礼節を知る」五体満足だったからこそ、障害者に対して「もっとヘルパーに感謝の念を持って」と、心の中で批判出来てた。

障害者に対して、もっと大局を見て、自分の立ち位置を考えて、その上で、援助してくれる人に対して、もっと愛をもって接しても良いじゃないか、と、心の中で思ってきた。

しかし、もし、自分がその立場に立たされた時、果たして自分は、それでもなお「失った上で」

  その気持ちでいれるのか。

一度、辛酸をなめた者としては、絶対に無理だなと思った。

だから

さて、今回も、、怖なった。
しかし、それはいつもの怖さとはちと違った。なんとも言えない『敗北感』……敗北感なんていうと、非常に問題があるのだが、そんな感じがした。
違う言い方を考えてみると…脱落感。

「死」は、怖くなかった。日程に上らなければ。しかし・・・
障害者・・・いわゆる「寝たきりの障害者」になるのが怖かった。

それが、今まさに私の近くに漂い始めた「死とは別のにおい」であった。


「失う」怖さを、少しではあるが知っている私としては、無理難題を言って、尊大に振る舞い、我が儘をいう「障害者」を一方的に非難出来なくなった。
本当に、少しではあるが、彼らの「たどってきた道」と「心のありよう」が、私の未来として、透けて見えたからであった。

それが「死とは別のにおい」の正体である。

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